インターフェロン再投与    


忘れたころに

                                                 2004年

7月6日
 6月27日の検査結果を聞き晴天の霹靂。
 長い間続いていたトランスの正常値が一気に破れた。GPTが100を越している。
 K先生から専門の先生に相談するよう勧められた。


7月14日午前
 朝から暑い。今日はR病院へ行く日だ。
 なんだか心配。
 それは治療への不安ではなく、インターフェロンの再投与ができないことへの不安である。
 自分の中ではすでに再投与の覚悟は決まっているので、貧血その他の理由で先生がやめたほうがいいと言われるのではないかという漠然とした嫌な予感がしているのだ。

                      

7月14日午後
 M先生から4つの投与法が提案された。

 1 βインターフェロン・・・副作用は軽い。後に保険でかえってくるものの高額。
   最初の2週〜4週は毎日、以降は週3回で22週。

 2 ペグインターフェロン・・・副作用が軽い。長期。
   週に1回を48週以上。

 3 αインターフェロン+リバビリン・・・効果高い。副作用きつい。貧血。
   最初の2週は毎日。22週は週3回。

 4 ペグインターフェロン+リバビリン・・・今年中に認可予定。最も効果あり。
   週1回を24週〜48週。
   
以前と違い、ダメだったら他のやり方に変更ということもありだという。
つまり1or2or3で治療していても今後認可予定の4に切り替えることも可能らしい。

そして、前回の副作用と貧血ぎみなことを考慮して、2で治療することに決まった。

  8月3日 入院。肝生検。
  8月4日 1回目の注射。
  8月7日 退院。
  以降の注射はホームドクターで行い、時々R病院で検査。

 トランスの落ち着いている間は、どうしても勉強不足になる。
 ペグインターフェロンについては、2002年2月の段階で2年後には認可と聞いていたが、2003年12月に認可されたようである。半年前だな。


8月4日
 第1回目の投与。前回投与したイントロンAは筋注だったが、ペガシスは皮下注だった。ほんとうに小さな注射だ。あとで調べてみるとこれ1本が3万円以上もするのだ。(実際には3割支払う)前回もその値段に驚いたがやっぱり高額だ。
 最初に打ったときの激しい震えや発熱はなく、やはり副作用は緩和されている感じだ。
 とはいっても38度までは上がらないが発熱・体がだるいなどの症状はある。

 話は少しそれるが、意外だったことがひとつある。それはウイルス量のことだ。私はずっと自分のウイルス量を少ないと信じていた。ところが、治療前のM医師の話では決して少なくない。中量より少し多いといわれたのだ。( ̄□||||!! 型は2型で効きやすいタイプだといわれた。70%は効果があると・・・。100%ではないのね。

9月1日
 5本目の投与。
 ペガシスとイントロン、体で感じる副作用に関して言えば、天国と地獄くらいの違いがある。1ヶ月目あたりでは生きた心地もしなかったころである。体中楽なところはどこにもなかった。発熱も最後まで続いていたのに、今回は微熱が3回でたくらいだ。現在気になる症状は下痢気味ということだ。
 ここで、「C型肝炎ML」でいただいた、ペグインターフェロンの副作用について紹介する。

PEGインターフェロンの副作用については、その種類は従来のインターフェロンと変わりありません。重症度はPEGの方は軽いようです。
ただし、発疹・食欲低下・体重減少等は従来のインターフェロンに比べて強いようです。
なお、
投与後かなりの期間をおいて血小板の著明な低下が起こる症例が報告されていますので、当日の血小板数はもちろん、白血球数(好中球)、赤血球、ヘモグロビン等の末梢血球のチェックは必ず必要です。


 発疹・食欲低下・体重減少も今のところは強く出ていない。注射部位が時々痒くなることがあるが、食欲に関してはそれほど変わりなく、前回何を食べてもおいしくなかったのとは全く違う。それでも体重が1キロくらい減ったかな。副作用にいかに個人差があるかということが分かる。
 血液検査数値上の変化については、一度冷や汗をかいた。2回目の投与前の検査で白血球数と好中球数が激減しており最初から投与が危ぶまれたのだ。幸いその後回復してきたのでなんとか続けている。
 血小板については、まだこれからだと思う。
                
9月8日
 R病院でHCV−RNA検査(ウイルスがいるかいないかを調べる検査)をする。この病院には1ヶ月に1度くらいしか行かないので結果を聞くのはずっと後になる。この日のトランスはちょっと高めだった。インターフェロン治療中はトランスが高くなることはよくあることなので心配ないという。でも前の治療のときはトランスもすぐによくなっていたので、これはちょっとだけ気になる。


 その後、これといった問題もなく予定通りに投与を続ける。副作用が少なすぎて、薬が効いているのだろうかという余計な心配をしたりもした。前の治療でウイルスにインターフェロンに対する抵抗力ができて効きにくいのではないかとか・・・
 体重の減少も止まり、1キロ減のままを維持している。
 両腕の注射あとの痒みはやはりある。両腕というのは、この注射は左右交代に打っているからだ。


10月20日
 前回のHCV−RNA検査の結果を聞く。ウイルス陰性。ばんざーい!
 効き目があるということで、治療を続けていく意欲が増した。あとは再燃しないためにできるだけ長く続けることだ。それほど苦しくないので、48週の最後までがんばろう!
 HCV−RNA検査とトランスなどの血液検査をした。トランスはやはり少しだけ高め。この日はエコー検査もした。問題なし。
 現在、4分の1(12本)終了。
11月26日
 10月のHCV−RNA定性検査結果はやはり陰性。
 今のところ肝炎ウイルスとはおさらばできているということだ。
 今回もトランスが高かったので先生に聞いたが大丈夫ということだった。順調。
 順調なのだが、貧血は思わしくなくて今日の数値は8.8の最低記録だった。(基準範囲10.6〜14.6)今まで9を切ることはなかったのだが・・・・
 また小さな副作用をあれこれ感じている。
 脱毛が始まったこと、目や口や唇の乾き、視力の低下、敏感肌、倦怠感など。


12月22日
 貧血の度合いが日一日とひどくなり、ついに投与中止基準値8.5を割ることになる。
 ホームドクターから主治医に相談の結果、回復するまで投与中止になった。また肝臓には良くないからとやめていた鉄剤の服用を再開した。(-_-;ウーンもう少し早く手を打つべきだったのではという後悔が残る。そのため1週間でどのくらい回復するかとても不安な日々を送ることになる。

12月29日
 検査の結果、なんとか8.6ポイントで投与再開になった。これからも安心はできないが、とりあえずお休みが1週間ですんでよかった。
 まだ認可されて1年の薬なので、投与期間中に一時中止した場合ウイルスにどの程度影響するかなど事例が少ないのではないかと思う。
 脱毛は相変わらずで毎日ごっぞり抜けるが、これは仕方がないと覚悟できている。

                                                     
                                                     2005年

1月19日
 ちょうど半分の24本目を投与。本当は先週で折り返しに入る予定だったが、先月1回休んだので今日になったのだ。そして腕も限界に達し、今日から臀部に注射することになった。両腕のしっしんがひどいのだ。頭痛などの副作用は相変わらずで、ひどい日とそうでもない日がある。

 ちょうど主治医による診察日だったので、しっしんについて聞くと、ペグでは同じ部位に注射を続けるとしっしんがでやすいということだった。つまり、場所をあちこち変えるという対処でいいらしい。皮下注の良いところで、筋肉がない場所でも注射できるので、おなかでもふとももでもどこに打ってもいいそうだ。
 次に鉄剤の服用についてだが、肝炎に鉄剤は良くないのだが、この治療の継続のほうを優先させるべきなので、10.0になるまでは飲み続けるようにということだった。(現在9.0代にまであがっている。)


 余談だが、「鉄剤飲めますか?」と聞かれたので、「飲めますというか、飲んでいます。」と答えると「鉄剤の飲めない人は多いのですよ。」といわれた。確かにいい気分のする薬ではないが、私の場合ヘモグロビン数値を上げるために必死なので、飲める飲めないといっている場合ではないのだ。でも、本当に飲めないと困るだろうな。(5年前のように鉄剤注射という手があるかもしれない。)

 11月末のHCV−RNA定性検査も陰性だった。(主治医の診察が少ないので、結果を聞くのが遅くなりすぎるのが難点。)
 そして、今日一番うれしかったのはトランスの正常値化だ。長かった。半年かかったということだ。

 これからも、次々と難題が沸き起こってくるかもしれない。副作用もいろんな顔を出してくる。私の場合は多くの人が悩んでいる白血球や血小板数値ではあまり深刻になることがなかったのだが、これから出てくる可能性もある。でも、治療ものこり半分なので、頑張っていこうと思う。
                               
3月15日
 2ヶ月ぶりの主治医の診察。
 1月のHCV−RNA定性検査も陰性。
 今日は最終日の設定をしてもらった。今まででも自分でカレンダーを見れば分かることだったのだけど、48週はあまりにも長く最終目標を決めるのに遠すぎたので考えないようにしていたのだ(^^; 1本抜けていることも気になっていたので聞いてみたら、48本ではなく48週なのだそうだ。つまり打たなかった週も含めるのだ。O(≧▽≦)O ワーイ♪
 最終日は6月29日である。思ったより早く終わりそうでうれしい。
4月19日
 春が来た。・・・が、
 3月15日に書いたうれしい知らせと裏腹に・・・3月に入ってから急に起こってきたことがある。
 長い間15万代を保ってきた血小板数が一気に11万に減少した。その後もずっと11万代が続き、今日やっと12万代になった。
 時間をかけて減少するということは聞いていたが、ずっと変わらなかったので、自分は大丈夫かもしれないと思っていたらやっぱりダメだった。今後減りませんようにと願うばかりである。
 体に感じる副作用はほとんどなくなった。ただし注射部位その他の痒みとしっしんは相変わらずである。

6月10日
 ウイルスの陰性は続いているのだが、あと1ヶ月というところになって、血液の数値がどんどん悪化してきている。
 とうとう好中球数が750を割ってしまい(720)、半量投与に減らされてしまった。血小板数も9万である。このまま半量でも続けることができればいいのだが・・・
 後残り3本である。
6月29日
 減量が1回あったが、その後少し持ち直し、ついに最終日を迎えた。
 やはり前回同様それほど感激しない。
 ネットで知り合った人たちは、最終日に思わず涙が出たとか、看護師さんと一緒に泣きあったとか言われていたけど、私って冷たい人間なのだろうか。
 とにかく、これからが勝負だ。(何もできないけど・・・)

7月6日
 エコー検査異常なし。

7月15日
 懸案事項だった胃カメラ検査。異常なし。胃潰瘍は完全に治っていた。


9月7日
 血液検査の日。GOT 19、GPT 9という素晴らしい数値。
 しかも、副作用で下がっていた白血球数などすべての数値が回復していた。投与できないほど減っていた好中球数が2250に、血小板数も21.9万になっていた。
 実はウイルス検査の結果を早く知りたいのはやまやまだったのだけど、次回まで待つことにした。
 主治医は、これだけ肝機能数値がいいということは陰性を維持しているということでしょうと言われた。

 とはいえ、本当の結果は分からないし、たとえ陰性でも、このまま1月はじめまで維持しないと完治とはいえない。ということは、ずっと考えていた仕事復帰にむけても、まだ本格的に始動することはできないということだ。
11月9日
 血液検査結果 GOT 20、GPT 10。
 また前回のウイルス検査の結果は陰性。
 希望がみえてきたように思う。

 さらにずっと気になっていた夫のHCV検査結果が陰性ということで、胸をなでおろした。うつる可能性は少ないとはいえ、やはりはっきり陰性と聞くまでは心配だったのだ。

                                                     2006年
1月5日
 血液検査結果 GOT 20、GPT 10。
 エコー検査 異常なし。
 11月のウイルス検査結果、陰性。これで4ヶ月陰性。
 今回もウイルス検査の結果は聞いてないが、どうやら完治となったようだ。
 そのため、次回の検査は半年後ということになった。

 これで、長いC型肝炎との闘いは終わりになった。
 1回目の治療後再燃のショックは大きかったが、今回再治療をして本当によかったと思う。
 今後も定期的に検査は続いていくし、そのたびに再発の恐怖におびえるかもしれない。けれど、自分としてはやるだけのことはやったので、後は運を天にまかせるだけである。
 晴れて人生の再スタートをきりたいと思う。


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再投与・検査数値